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最近、アクセシビリティという言葉を目にするようになりました。アクセシビリティ(accessibility)とは、情報やサービス、ソフトウェアなどが、どの程度広汎な人に利用可能であるかをあらわす言葉です。
特に、高齢者や障害者(最近は、障害者とは表記しないで障碍者または障がい者と表記している場合もあります)などハンディを持つ人にとって、どの程度利用しやすいかという意味で使われることが多いです。(参考:IT用語辞典 e-Words)
この説明の中にはハードウェアのことは触れられていませんが、当然パソコンや周辺機器なども当然含まれています。また、accessibilityとは「受け入れられやすさ」という意味の英単語です。Access(アクセス)とability(アビリティ)が一緒になった単語ですので、(アクセス+可能であること)といえます。
現在、ITが急速に普及する中で、高齢者や障害者などハンディを持つ人がITから取り残されていく状況が出てきています。
いわゆるデジタルディバイド(情報格差)が進行しているのです。情報を持つ者と持たない者との格差が大きく広がってきているのです。特に、電子政府・自治体化により公共機関のIT化が進んでいますので、公共サービスを受けるためには住民側もIT化せざるをえない状況になってきています。公共サービスの情報を入手するために公共機関のサイトへのアクセスも重要になってきています。
また、高齢者や障害者などハンディを持つ人達にとってWebサイトからの情報収集は日常の生活や世の中の動きを知るうえで不可欠なものになってきています。
アクセシビリティの取り組みは、日本工業規格「高齢者・障害者等配慮設計指針−情報通信における機器、ソフトウェア及びサービス(JIS X 8341)のガイドラインで進められています。
指針には、高齢者、障害のある人々及び一時的な障害のある人々が、情報処理装置、電気通信機器、事務機械などの情報通信機器、ソフトウェア及び様々な情報通信技術によって実現されるサービスを利用するときの情報アクセシビリティを確保し、向上させるため、ハードウェア、その使用方法としてのソフトウェア及びサービスに関して、企画・開発・設計するときの指針として基本的に配慮すべき事項について規定しています。
高齢者や障害者などハンディを持つ人達もハンディを持たない人達と同じようにITを活用できるようにすることが、このWebアクセシビリティの視点なのです。
アクセシビリティでいう障害には、視覚障害、四肢障害、聴覚障害、言語障害、学習障害(マイクロソフト社での分類)が挙げられますが、これには、多くの高齢者も含まれています。
高齢者は加齢によって、様々な機能低下が起こります。また、ITに対しての拒絶感や直ぐに取り組めないというアレルギーを持った人も多くいます。
長寿化による高齢者の増大は、これからの情報社会の中でアクセシビリティの必要性が益々重要となってきているのです。
シニア情報生活アドバイザーは、シニアの情報生活を支援することを目的として活動しています。ITの活用にハンディを持つ多くの人々や情報生活から疎遠になっている人たちを支援することも活動として求められているといえます。
パソコン操作やインターネットの活用をアクセシビリティの面から捉えて対応していくことは、結果として誰にでも使いやすいものになるといえます。
今回は、アクセシビリティについての序論的なことを紹介いたしました。次回からは、アクセシビリティ化の動きやアクセシビリティの視点からパソコン操作、インターネット活用やアドバイザーとしての活動などについて取り上げていきたいと思います。
シニア情報生活アドバイザーメールマガジン22号への掲載原稿より
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