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4.スパム対策 終わりなき闘争に奮闘する米政府と民間企業

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       スパム対策
       終わりなき闘争に奮闘する米政府と民間企業
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 日本を含めネット社会では政府や民間企業の努力も空しく、スパム(迷惑)メール
の被害は増大しているのが現状だ。しかし、だからといって野放しにするわけにもい
かず、スパム業者との戦いはこう着状態が続いている。今回は、米国におけるスパム
撲滅への取り組みの現状を追ってみた。【矢野 雅仁】

■■有名無実のアンチ・スパム法

 今年1月、米国でスパムメールを規制するアンチ・スパム新法「Can-Spam Act」が
執行された。同法には懲役罰も盛り込まれていることから、スパム撲滅への布石とし
て期待がかかっていた。
 ところが、法律への期待とは裏腹に、スパムの数は増大
する一方だ。たとえば、スパム対策ソフト大手の「ブライトメール」(Brightmail)
社によると、昨年12月に送信されたメールの58%がスパムだったが、法の執行直後に
は逆に60%に増加したという。そして今では、全電子メールの64〜83%がスパムによ
って占められているという。結局、新法はスパマー(スパム発信者)に対して何ら、
圧力をかけることができずにいるのが現状だ。

 さらに追い打ちをかけるように、米連邦取引委員会(FTC)は、同法で作成が認め
られた「スパム拒否リスト」の作成が、実現性に欠け、かえってスパムを増やす可能
性があるとの見解を示した。FTCは、既存の技術がスパマーの身元を追跡できないこ
とを理由に挙げている。また、発信元の身元を保証する「認証」機能もないため、ス
パマーは電子メールのアドレスを照合するためにリストを悪用し、さらにスパムを送
りつけて来る可能性があるという。
 当局としてもここはやはり、スパマーを摘発
して起訴することによって、他社への見せしめにすることが必要だ。連邦捜査局(FB
I)では、これまでに100社の大手スパム業者を特定しており、年内に50社の起訴を検
討しているという。
 米上院通商委員会がアンチ・スパム法の効果を調べているが
、今のところ「効果あった」との報告を耳にすることはない。今後は、さらなる修正
法案が飛び出してくる可能性が高い。

■■立ち上がった大手プロバイダー

 民間業者にして見れば、当局の動きにいらだちを感じても不思議ではない。プロバ
イダーのインフラが大量のスパムによって支障をきたすようになり、顧客からの不満
を解消するために機材のアップデートをしなければならなくなる。当然、コストはプ
ロバイダーに跳ね返ってくる。プロバイダー自体が独断でスパムを100%省くことは不
可能だが、技術開発会社や政府機関が解決してくれるのを悠長に待っているわけには
いかない。こうした葛藤の中で、ついにプロバイダー大手4社が立ち上がった。

 アメリカ・オンライン(AOL)、ヤフー、アースリンク、およびマイクロソフトの
プロバイダー4社は、スパムを撃退するための技術開発競争を部分的に停止すること
で合意した。4社が一致協力してスパムに対抗するのが狙いだ。また、開発が進めら
れている2種類の技術「ドメイン・キーズ(Domain Keys)」および「ドメイン・キ
ーズ(Domain Keys)」について、限定的ながら相互に試験利用を実施していく。

 センダー(送信者)IDは、マイクロソフトが開発してきたアンチ・スパム技術規格
「コーラー(Caller)ID」とPOBOX.comが開発し、AOLおよびアースリンクが推進する
規格「SPF(Sender Policy Framework)」を統合したもの。同技術を利用すると、プ
ロバイダーは、受信メールとドメイン名の所属するサーバーが使っているアドレス用
数値と照合できる。照合できないメールは、迷惑メールとして除去される仕組みだ。

 ただし、これらの技術は、あくまで送信者を確認できるようにするだけ。言い換え
れば、スパムを直接減らす効果を持たず、最後はユーザー側が注意を払わなければな
らないことに変わりはない。

■■スパムを追跡する民間企業も登場

 さらに、スパム対策をビジネスにして一山当てようとしている企業も現れた。たと
えば、ネット犯罪を追跡する「ICG」社は、スパマー対策にも力を入れている。数年
前、スウェーデン通信大手エリクソンがテレフォンセックスを売り込む大量のスパム
を受けて、サーバーに支障がきたした時にも同社が介入した。

 そこでICGは、スパムメールを検索エンジンにかけて同じメッセージが現れるウェ
ブを調べていった。同社は見つけた電子メール・アドレスから発信源をつきとめると
、そのレジストリーを使ってスパマーの名前を割り出すことに成功した。

 こうしてジョージタウン在住の発信者は、数週間後に訴えられ、最終的に民事和解
で10万ドルの支払いに合意した。ICGはこれまでに300人以上のスパマーを割り出し、
このうち75人は民事訴訟、さらにこのうち12人は刑事訴訟にも発展した。
 ソフト
ウエア会社からハードウエア会社まで、多くの会社がより効果的なスパム対策法を模
索している。しかし、それでも一般ユーザーから見れば、本当に効果があるのかが見
えてこないのが本当の姿だろう。技術または規制のいずれか単独では問題解決が難し
いのかもしれない。


[米連邦取引委員会]
http://www.ftc.gov/Templates/bcp_ms_spam.dwt
[POBOX.com]
http://www.pobox.com/
[ICG]
http://www.icginc.com/


▽詳細
http://www.mainichi-msn.co.jp/it/coverstory/news/20040716org00m300081000c.html




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